CSR報告書「CSR報告書」は、企業のリスクマネジメントの取組みを知るヒント2004年3月期の有価証券報告書から企業のビジネス・リスク情報の開示が 義務づけられたが、これとは別に、企業の社会的責任(CSR)に関する報告書の 発行が相次いでおり、リスクマネジメント関係者にとって企業の取組みを知る うえで、重要な情報源となりそうである。 CSR報告書は、従来の環境報告書を発展させたもので、雇用問題や情報漏洩、 クレーム、事故の対応策など、多様なステークホルダー(利害関係者)に向け、 社会的責任に対する姿勢や実践を説明するものである。 その背景には、環境省が今年3月に指針を改定し、企業の社会的説明責任を 記載することが望ましいとしたこともあるが、企業不祥事などに対する社会の目 がますます厳しくなったことが大きい。 さらに6月には、国際標準化機構(ISO)が社会的責任の規格化を決定した。 CSR経営の特徴は、社会的責任を果たすことが中長期的な企業価値の向上に つながるという考え方であり、そうした企業を対象に投資する、 「社会的責任投資」が活発化している。 環境省の2003年度「環境にやさしい企業行動調査」結果によると、 環境報告書に社会・経済的側面を記載する企業が317社にのぼり、 CSRへの取組みと情報開示が進んでいることが明らかになった。 また、CSRを意識する理由として、「社会的リスクの回避、軽減」と 回答した企業が59.2%、「不祥事発生防止のリスクマネジメント」が56.6%、 「多様なステークホルダーとの信頼関係確保」が63.8%であった。 |